こどもの病気の対応
―診察の手順―
こどもの診察は大体以下の順番でおこないます。
年齢や全身状態で変更になることはありますが。
  1. 顔色、目つき、歩けるか喋れるか、など目でみてわかる情報
  2. 脈拍、手足が温かいか冷たいかなど、ふれてわかる情報。
    からだの周辺部の様子がとくに大切です。
  3. 胸とおなかの診察。いわゆる聴診器を使った診察。赤ちゃんではおむつの中も観察します。
  4. 口の中、耳の中など洞窟探検(けっこうむずかしい)
  5. 最後に神経学的診察などの特殊診察でおしまい。

余談ですが、私は医学生時代に、眼科、耳鼻科、泌尿器科、産婦人科の実習はかなりさぼりました。この4科に共通の特徴は、うす暗い診察室で穴のぞきに精をだすというもの。私は暗室が嫌いだったので、サボリ方はハンパではなかったです(中途半端でした)。

小児科の実習は、明るく楽しい感じで、ギャーギャー泣き声はありましたが、よい印象が残っています。穴のぞきが嫌いで小児科医となったのですが、あにはからんや、弟はからんや、何のことかワカランヤ、小児科医となった私を待ち受けていた非情な運命、それは、
熱のあるこどもの診察では、必ずアナをのぞけ!

だったのです。のどの炎症、急性中耳炎、尿路感染症の三つが、こどもの発熱の大部分をしめるからなのです。つまり明けても暮れても私の日々は

はーい、ノドチンコ見せてねー、お耳みましょうねー、ごめんね オチンチンみせてねー、おしりだそうねー、目えみせてねー…etc.

のくりかえしでした。あーあ、ナンタルチアのオーソレミーオ、こんなはずではなかったなあ、と思ったものです。残りの人生、ずっと穴のぞきで終わるのでしょうか?あな恐ろし。
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