こどもの病気の対応
―インフルエンザとワクチン―
今年の冬(2002―2003)に使用が認可されたインフルエンザワクチンには、以下の3つのウイルス株が含まれています。

Aソ連/ニューカレドニアA香港/パナマB/山東

詳細は以下のHPで閲覧可能です。インフルエンザQ&Aもあります。
国立感染症研究所(http://www.nih.go.jp/)

2000―2001年のシーズンには、当院でインフルエンザによるけいれん重積(けいれんが長く続いて、生命に危険な状態)もしくは脳炎の患者さんが6名。全員が未接種の子どもさん。2001―02年シーズンは、ワクチン接種を積極的に推進した結果、ケイレン患者さんは数名になりました。

治療薬がなかった時代、インフルエンザはいったん発病したら、安静・保温・水分補給につとめて、病気が通り過ぎるのをひたすら待つしかない病気でした。近年になって、発病後も有効な薬があいついで登場し、インフルエンザの治療法もずいぶん様変わりしてきた感があります。 

人生の初め(乳幼児)と終わり(高齢者)は免疫力が弱いため、ウイルスが全身に拡大しやすいこと、体も何とかしようと必死で防衛するのですが、適度な防衛を行うためのコントロールがうまく働かないこと、これらの理由で、この年齢層では重症化しやすいと考えられています。

ですから、とくに乳幼児と高齢者では、発病してからの治療を期待するのではなく、発病そのものを軽くできるように、ワクチンを受けておくべきでしょう。もちろんワクチンで発病を完全に予防できるわけではありませんが、重症例(入院の必要なレベル以上)は明らかに減ります。
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