こどもの病気の対応
―解熱剤の使用法について―
解熱剤(げねつざい)の目的は、熱を下げることではなく、熱を下げることによって、「食べる・眠る・遊ぶ・ご機嫌」の質を確保することです。

「食べる・眠る・遊ぶ・ご機嫌」をなるべく良い状態にキープすることで、病気とたたかっている期間を、より快適に過ごすことができます。どんな手段を講じても、水分やカロリーを摂らせ、眠らせねばなりません。解熱剤は、そういう手段のうちの一つと考えましょう。

小児の正常体温の上限は37.4℃で、37.5℃からを発熱と定義しています。それより1℃高い38.5℃が、解熱剤使用の目安とされています。
(注:最近、米国の小児科教科書は37.8℃以上を発熱と定義しています)

つまり、38.5℃というのは、あくまで目安であって、それを超えていても、本人が元気にしている場合は使わなくてもよいし、寝つきや食欲が悪いのであれば、38℃しかなくても使用する価値はあります。

体温の絶対値に忠実にしたがって、使用するかどうかを決めるのではな
く、「食べる・眠る・遊ぶ・ご機嫌」の良しあしで決めるのが正解です。
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