こどもの病気の対応
―日本脳炎に注意を―
平成2年以来の記録的な猛暑で、夏バテの子どもさんやお年寄りが増えています。こういう時に狙っているのが日本脳炎というウイルスの病気。ご存知のように、コガタアカイエカという蚊がウイルスを媒介します。

この蚊はおもに水田で繁殖し、ブタの吸血をします。蚊の体内にいたウイルスは吸血の時にブタの体内に入り、そこで増殖します。それを別の蚊が吸血し、蚊⇔ブタ⇔蚊の増殖サイクルでウイルスは増えていきます。

ある地域で半数のブタからウイルスが検出された時に、その地域は日本脳炎ウイルスに汚染されたとみなされ、保健所は警戒警報を発します。福岡県では今月10日に、半数以上のブタでウイルスが検出されました。

予防接種を済まして抗体をもっていない場合には、ウイルス陽性の蚊から吸血された人の300人から3000人に1人が、脳炎を発症します。

潜伏期間は5〜15日で、意識障害をともなう高熱が1週間〜それ以上続きます。季節は7月〜9月に集中しますが、警報の出たこれからが危険。

いったん発病した場合には、完全に回復する人が3分の1、死亡する人が3分の1、助かっても神経学的な後遺症を残す人が3分の1です。夏バテに気をつけ、睡眠と休養を十分にとり、予防接種を受けましょう。
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