こどもの病気の対応
―きつい・だるい・気分が悪い―
例年、ゴールデンウイークから梅雨入りまでのこの時期に、どこが悪いのかはっきりしない体調不良を訴えるこどもさんが増えてきます。こどもだけでなく、そのお母さん、あるいはお父さん方にも同様の傾向が見られることがあります。 「きつい・だるい・気分が悪い」を連発し、朝の寝起きが悪い、学校に遅刻するからと足を引っ張って起こそうものなら、機嫌の悪さはどうしようもない→→→、というわけで、毎朝恒例の親子ゲンカ…。 ところが、朝はぐにゃぐにゃだったこのひと、夕暮どきにはがぜん元気になり、他の家族がそろそろ寝静まる深夜には目がランランと輝いて絶好調。 「早う寝らんねー!また明日起きれんごとなろうがー!」 「だっーてえ、眠れんちゃもーん。」

日曜の夜などはこんな会話が決り文句。 こんなこどもの数が、高学年児童の4%くらいはいると推定されています。

この体質のこどもたちは、先生や親から、 「根性のない、いつもため息ばかりついて覇気のない、ハキハキしない、だらだらした、背筋の曲がった、なまこがアクビをしたような、青菜を茹でたような、なめくじに塩をかけたような、オットセイの昼寝みたいにゴロゴロした…etc.」
どうしようもない「性格」と誤解され、あらぬ非難を受けかねません。

私自身も中学校、高校の頃はそうだったし、今でも朝の起床は苦手で誰か家族に起こしてもらわないと、なかなか自力では起きることができない状態です。

しかし、明日は好きな鯛釣りだぞ、と思うと誰に起こされなくても、早めに目が覚めます。それどころか、ふだんは乗り物酔いしやすいのに船酔いもほとんどしません。趣味は人並み以上にできる、まことに都合のよい体質なのです。

このような、しゃきっとしない、都合のよい体質を小児科では「起立性調節障害」というのですが、漢方薬がよく効きます。

いろいろな漢方の中から自分の体質に合ったものをみつけることができれば、疲労感もとれ、学習の能率も向上し、家族関係も好転し、生活の質が改善するだろうと期待できます。
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