くろ通信00-

一木こどもクリニック便り 西暦2002年7月(通算67号)

猛暑の夏もお盆がすぎて、急に涼しくなってきました。季節の変わり目は体調をくずすことが多く、いったんくずすとなかなか元に戻りにくくなります。一部の保育園、幼稚園、学校では運動会の練習も始まっています。お天気が続くとよいですね。
「こどもの病気の診かたと看かた(84)こどものことばと親子の会話」
「パッパー、オ帰リー、あのね、○○レンジャーがね、ブーン、ってね、そしたら、ヒューン、ドッギューン、ってね、それでボクもね、ブイーン、ってやったらね、バッコーン、ってなったと。あー面白かったー!」

子どもにとっては、現実と空想の世界は連続しており、自分の経験したものを、何とか親に伝えようとします。言葉による表現力に乏しい年齢では、身振り手振りの役割が大きく、上の表現なども、もし身ぶり手振り、キラキラした目、大きな息づかいがなければ何のことか分りません。

ただ伝えるだけではなく、自分が経験して感動したのと同じ感動を親にも経験してもらいたいのです。経験の共有を求められているわけです。

こういう場合に、「ふうん、そうね、マー君は、ブイーンってしたとやね、そしたら、ドッカーンってなったとね、面白かったねえ、良かったねえ」と言えれば、子どもは喜びます。会話もつながります。
「パッパー、ドッカーンやないと、バッコーンだったよ」と返事がきます。

ところが「そげな訳のわからん話かたしても、パパには分らん。お話するときは、相手の人がちゃんと分るように話さんとね。それにパパは疲れとるよ」などと言えば、それで終わり。子どもの夢は消えてしまいます。

親の役目というのはいろいろ考えられますが、一番大切なのは、こどもの夢にきちんと付き合って、一緒に夢を見ることではないでしょうか。できれば、その夢をふくらませて、夜は、夢いっぱいで眠りにつけるように、こどもの世界の言葉をマスターできるとよいですね。

そういう対応がスムーズにできるご家庭では、こどもは抑圧され悲しい思いをすることなく、のびのびと笑顔いっぱいで育つような気がします。
どんなに疲れていても、こどもの笑顔と“わけの分らん”不思議なお話ほど、私たちの疲れを解消してくれるものはないでしょうから。
「こどもの病気の診かたと看かた(85)アレルギーの季節」
季節の変わり目…。あまり好きな言葉ではありませんね。私も花粉症と慢性副鼻腔炎があり、春先と秋口は草むしりでクシャミと鼻水が発生。ツル草の花粉症ですが、草むしりをサボる言い訳に使っております。

運動会のシーズンは砂ボコリの中で練習するため、ハナ、のど、気管支が弱い人ではこれらの病気にかかりやすくなります。朝と帰宅後にうがいをする習慣を親子でつけましょう。私も毎日お茶で実行しております。

さて、本格的な秋の花粉症といえばブタクサ(セイタカアワダチソウ)が有名です。町内いっせいの草取りでは、敏感な人はご注意ください。

気管支喘息の患者さんも、これからは発作を起こす人が増えてきます。
気管支の慢性炎症がある人では、ささいなきっかけで、突然に呼吸が苦しくなってきます。いわゆる喘息発作ですね。

気管支喘息をくり返し起こしている方は、ささいなきっかけ(ホコリ、冷え、煙、ペットの毛、フケ、のどの炎症など)をなるべく避け、予防薬を面倒がらずに毎日使うことで、発作のない快適な生活が可能となります。
お薬の使い方については、かかりつけの医師にご相談ください。
あとがき】★ 過日、ベランダに迷い込んだ伝書鳩を追い出そうと奮闘するうちに右肩を痛めました。スポーツ障害と自己診断して冷湿布をしたのが完全な裏目。整形外科の先生から、若い人ではスポーツ障害でも、あなたのは五十肩だから温湿布が正解…と聞いて大ショック。そろそろ油が切れだした?この夏は老化をヒシヒシと感じました。 7月27,28に東京でリウマチ研修会に参加。27日夜は、宿泊ホテルの40階から隅田川の花火大会を見ました。地元の人でもなかなかチャンスがないそうですが、日本一の絶景でしたね。上から見たので肩も首も痛めず楽でした。 今月から、毎週火曜日の午後に、アレルギー外来を開設しています。場所は当院カウンセリングルームです。診察は、国立福岡東病院で小児アレルギー外来をご担当されてこられた山口敦子先生です。アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息など、小児のアレルギー性疾患全般についてご相談を受付中。診療は完全予約制です。 9月も合宿研修があり、院長不在の曜日ができますが、なるべく休診を増やさないように努力しております。代診医師を派遣してくださる大学病院も、小児科は人手不足が深刻で、人材確保が大変なようです。勉強をしないと新しい医療についていけませんので、院長の研修も必須であることをご理解くださり、ご協力をお願いします。

発行:(医)一木こどもクリニック (責任者 一木貞徳) 2002.8.27 :宗像市東郷394 TEL 0940-36-0880

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