こどもの病気の対応
―こどもの不適応行動―
11月8日に宮本信也先生(筑波大学心身障害学系教授、小児科医)の講演『不適応行動をくり返す子どもたちの理解と対応』を聞いて考えたこと。
生徒A  「うえーん、B君がいきなりぼくをどついたあ、うえーん」
大人X  「B君、何でそげんことするとね、ちゃんとA君に謝りなさい」
生徒B  「??(なぜ叱られているのか、まるで分っていない)」
大人X 「なんで謝らんとね、なんで無視するとね、君はいつもそうやね」
どこでも見られる光景ですが、このような子ども同士の衝突場面に大人が介入するときには、一見不可解な子どもの行動の、裏側を理解しようと努めることが必要です。例えば上のケースでは、
生徒B〈あっ、トンボだ〉と、トンボを捕まえようとそのまま前に飛び出して、たまたま前に居たA君に当たり、A君が転んでしまった。
だけなのかも知れず、B君が叱られる理由を理解できないのも当然です。
「なぜか」ではなく「本当は何をしたかったの?」と問うべきでしょう。
大人Y 「B君がぶつかって、A君泣いているけど、ぶつかるつもりはなかったんだよね。あの時B君、本当は何がしたかったの?」
生徒B 「ブーンってね、トンボが飛びよったと。あれ捕まえたかったと」
大人Y 「じゃあ、この次トンボ捕まえようと思ったとき、どんなことに
注意したらいい?いきなり飛び出たら、人にぶつかるよね」
こういう対話を積み重ねていくと、B君は少しずつ周囲の状況を判断して行動することが可能となっていくでしょう。不適応行動をくり返す子どもだけでなく、どの子どもに対しても有用な対応であるはずです。
こどもたちと関わるときには、「なぜ・どうして」ではなく、「どのようにしたいのか」を問う習慣が大人の側に必要とされているのでしょう。
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