インフルエンザにかかった時に注意すること |
(1)安静、保温、水分どんな病気の時でもこれは当然のことですが、小さい子どもさんと高齢者では、特に早めの水分の補給がきわめて重要です。ゾクゾクしたり、のどや頭が痛い、発熱など初期の症状が見られたら、ぐったりする前に直ちに水分を少量ずつでも回数を多く与えます。そして安静に寝かします。一般に病気の起こり始めには、顔色が悪くなり、発熱があるにもかかわらず、手足が冷たくなったり、気分不良(みぞおちのあたりがムカムカする、吐く、頭の芯が冷えた感じがする、立ちくらみがする)などちょうど乗り物に酔った時のような症状が出現します。 これは、外部からの侵入者に体が気づいて、自律神経や免疫系、内分泌系など普段から体の調子を管理しているシステムが、新しい非常事態に対し、臨戦態勢を整えつつある、ということを意味しているのです。 そして数時間から半日くらいすると、体の反撃態勢が確立されるのです。その時から本格的な発熱、痛みなどが見られ、顔色も体温上昇を反映して赤くなり、酸素消費量も増えてフーフーとした息使いになります。 解熱剤(解熱剤)を使うタイミングは、この時です。 まだ顔色が悪く、手足も冷たい、吐き気もする、というような最初期の状態では解熱剤はなるべく使わない方がよいのです。この状態では、血液の循環状態も変調しており、ここで解熱剤をどかんと使いますと、手足だけがさらに冷えて、肝心の体温(深部温度)はいっこうに下がらず、結局ますます全身の温度差が拡大していっそう循環状態が悪くなります。顔色もさらに悪くなります。事態は決して改善しません。 それよりもこの初期の状態ではとにかく水分(食欲がなければ糖分の入ったアルカリイオン飲料がよい。食欲があれば麦茶や番茶で十分。炭酸飲料は不適)を与え続け、ふとん(ベッド)に寝かせて、手足が温かく、顔色がよくなるまでじっと待ちます。 これらの条件が整ってくると、排尿が見られます。排尿が確認されてから始めて、安心して解熱剤を使える条件がそろったといえるのです。そこで解熱剤をかかりつけのドクターから指示された量だけ使います。この状態では解熱剤もよく効きます。そしてふたたび水分をとり、汗をかけば下着を着替えさせ、また横になります。これを最初の2日間続けるのです。 ポイント1: 飲んで寝て、出して着替えてまた飲んで、赤くなったら解熱剤。
(2)インフルエンザは台風と同じで、<目>がある病気
初めの2日くらい発熱したあとで、一見治ったようにほぼ平熱になることがきわめてしばしば経験されます。1日で解熱する患者さんもいます。「あーら、うれし。あの先生の薬よう効きはったわ」などと思って早速学校や幼稚園に出すと、これがとんでもないことになります。 |